「サーモバリアWはどのような商品なの?」
「他の商品との違いは?」
このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
サーモバリアWは遮熱シートである「サーモバリア」の種類の1つです。
9層構造でエアーキャップが2つ使われている、という特徴があります。
サーモバリアWは遮熱効果が高い商品ですが、ほかの商品との違いがわからなくてどれを選べばよいかわからないという人もいるでしょう。
本記事では、サーモバリアWの商品情報やほかの商品との違いについて紹介します。
施工方法についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
サーモバリアWとは、遮熱シート「サーモバリア」シリーズの商品の1つです。
サーモバリアとは純度99%以上のアルミ箔を使用した遮熱シートのことを指します。
太陽光のように電磁波によって伝わる熱である輻射熱を抑える効果があります。
サーモバリアWは空気が含まれた緩衝材である「エアーキャップ」と両面アルミ箔で構成された商品です。
ほかのサーモバリアと異なり、エアーキャップが2重になっているという特徴があります。
外部からの輻射熱を抑えるだけでなく、機械から発生する輻射熱を外に逃がさないようにでき、冬は工場内を暖かくできます。
サーモバリアWは断熱材ではなく遮熱材です。
断熱材とは屋根や外壁に使われる、空気を多く含んだ素材のことです。
断熱材とサーモバリアの違いは、防げる熱が異なることが挙げられます。
遮熱材の場合、太陽や機械から発せられる輻射熱を抑えられます。
断熱材はものに直接触れることで伝わる伝導熱と、空気によって伝わる対流熱を防げるのが特徴です。
断熱材とサーモバリアは役割が違うので、お互いを代用できません。
暑さ対策として使いたい場合は、遮熱材を優先的に導入することをおすすめします。
理由としては、暑さの原因のほとんどが太陽光による輻射熱であるためです。
断熱材も暑さを抑えられますが、あくまでも補助的な役割にすぎません。
併用することで空調の効きがよりよくなり、工場内での熱中症を防ぎやすくなります。
サーモバリアシリーズには、サーモバリアW以外にも以下のような商品もあります。
・サーモバリアS
・サーモバリアスリム
・サーモバリアエアー
・サーモバリアトップ
・サーモバリアフィット
それぞれの違いや使い方について把握できますので、ぜひ参考にしてみてください。
サーモバリアSは、エアーキャップに両面アルミ箔を貼った遮熱材です。
高い遮熱性と反射性をもっています。
国土交通省不燃認定を受けた商品で、屋根や外壁など幅広い箇所で活躍できます。
サーモバリアWと異なり、エアーキャップが1枚となっていてシートの厚さが薄いのが特徴です。
サーモバリアスリムは厚さが0.2mmのシートで、断熱層が不要な壁におすすめです。
熱伝導率が0.0734W/(m・K)で、0.0503W/(m・K)のサーモバリアWと比べて熱は伝わりやすいですが、充分な遮熱効果を発揮できます。
また、サーモバリアスリムはベーパーバリアとも兼用できます。
ペーパーバリアは透湿性と気密性に優れたシートのことです。
ベーパーバリアを壁に貼ることで、湿った空気が壁の中に入るのを防ぐ効果があります。
壁の結露発生やカビの抑制といったメリットがあり、サーモバリアスリムと兼用することで、防湿対策をしながら暑さ対策もできます。
サーモバリアエアーは、厚さ0.2mmのシートに細かい穴が多数あいているのが特徴の遮熱材です。
穴があいているのは湿気を逃がすためで、結露を防止して外壁にカビが生えるのを防げます。
樹脂製のメッシュシートの両面にアルミニウムを貼っている3層構造で、強度が高くて長く使えます。
屋上に貼るタイプの遮熱シートで、工場や学校などの平面タイプの屋根に向いています。
0.2mmの3層構造となっており、サーモバリアエアーやサーモバリアスリムと違って、最下層が不織布となっているのが特徴です。
フラットな屋根上に直接貼れ、施工が簡単なのがメリットです。
専用の接着剤を使って貼り付ける作りになっています。
サーモバリアフィットは厚さ0.2mmのシートで、主に乾燥炉や機械から出る熱を防ぐために開発された商品です。
縫製加工が可能で、広範囲にシートをかぶせられるような作りになっています。
溶鉱炉のような輻射熱を発する機械を導入している工場におすすめです。
フィット工法という工法を用いて施工します。
サーモバリアWは折板屋根に貼る場合と、折板屋根以外に貼る場合で施工方法が異なります。
それぞれの工法について解説しますので、自社工場の屋根がどの工法で貼れるか知りたい方は参考にしてみてください。
折板屋根に貼る場合は、スカイ工法という方法で貼ります。
スカイ工法は折板屋根を覆うようにサーモバリアを貼り付ける工法です。
接着力の高い両面テープを使ってシートを貼り付けるだけで施工できます。
従来は遮熱塗料が多く使われていましたが、塗装するのに技術が必要というデメリットがありました。
技術力がないと不均一な塗装になってしまい、遮熱効果が落ちてしまいます。
スカイ工法を導入することで、屋根に遮熱シートを均一に貼れるので、遮熱効果の高い仕上がりになります。
また、スカイ工法は雨漏り対策にも有効です。
折板屋根以外の屋根の場合は、シートを貼った後に屋根材を配置する方法で施工を行っています。
シート自体に防水性がないため、雨に当たらない場所に貼るようにしているのが特徴です。
雨に当たりにくくなるので、シートの品質が劣化するのを防ぎやすくなる効果があります。
ほかにも、高所作業車を用いて天井裏に貼り付けるという方法もあります。
サーモバリアをタッピングビスというネジで止めることで施工可能です。
つなぎ目の部分は専用のアルミテープを使用して、輻射熱が漏れないようにしています。
サーモバリアWを導入する際の注意点として、以下の4点があります。
・施工業者が限られている
・伝導熱や対流熱は防げない
・カビの発生に気を付ける
・費用相場と耐用年数から導入を検討する
それぞれ詳しく解説します。
施工できる業者が限られているので、業者を探すのが大変な場合があります。
サーモバリアは完全施工販売店制度を採用しており、認定された工事店しか扱えないためです。
とくにスカイ工法は試験に合格した工事店しか施工できないので、認定されている業者かどうかを確認することが大切です。
なおクールルーフ.jp(運営:ウチノ板金)はサーモバリアのスカイ工法の施工販売店であるため施工を実施できます。
サーモバリアはあくまでも輻射熱を反射する性質を持っているだけで、伝導熱や対流熱の影響を受けます。
完全に暑さをシャットできるわけではないので、覚えておきましょう。
伝導熱や対流熱を防ぎたいのであれば、断熱材も併用することをおすすめします。
ただし、金属屋根にサーモバリアを貼るだけで11℃も気温を下げられる効果があり、断熱材が無くても充分効果を発揮できます。
サーモバリアを貼ると、結露しやすくなりカビが発生するリスクがあります。
とくに冬場は結露する可能性が高いので注意が必要です。
結露の発生を防ぐには遮熱材と断熱材の併用をおすすめします。
自社の予算とサーモバリアの耐用年数を考慮して検討しましょう。
サーモバリアのスカイ工法は、現在価格を公開しておりません。
工事条件によって金額は変わりますので、詳細はお見積もりやご相談のご連絡をいただければ幸いです。
高圧洗浄が必要な場合やプライマー塗装によるシートの貼り付けが必要な場合は、追加で料金が発生します。
耐用年数は約10年が目安です。
遮熱シートは屋外にさらされるので、必ず経年劣化があります。
10年ごとに貼り替えが必要であることを踏まえ、自社の予算で施工し続けられるかを考えてから導入しましょう。
サーモバリアWは純度99%のアルミ箔を使用した遮熱シートです。
輻射熱を抑えられ、工場内の気温を下げられます。
ほかのサーモバリアと異なり、エアーキャップが二重構造となっているのが特徴で、遮熱性に優れています。
冬も機械から発生する輻射熱を逃がしにくくするため、工場内を暖かくできます。
暑さ・寒さ対策に効果的なので、工場の整備を担当している人や熱中症対策をしたいと考えている人はぜひサーモバリアWの導入を検討してみましょう。