「工場や事務所が暑くて、従業員が熱中症にならないか心配」
「暑さ対策にサーモバリアが良いらしいけど、具体的にどんなものか分からない」
このように思うことはないでしょうか。
サーモバリアは遮熱シートの一種で、屋根や外壁に施工すると、真夏の建物内の温度を下げる効果があります。
工場や事務所の暑さにお悩みの方におすすめの製品です。
しかし、サーモバリアについてよくご存知ない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、遮熱シート「サーモバリア」について解説します。
サーモバリアのメリットや注意点、施工方法などを紹介するので、ぜひご覧ください。
目次
サーモバリアとは、熱の反射率を高くする純度99%以上のアルミ箔を使用した遮熱シートのことです。
輻射熱の大部分をカットする効果があるので、屋根や壁に使用すると、太陽の輻射熱による建物内の温度上昇を抑えられます。
さらに暖かい空気を外に放出しにくい性質もあるため、冬には寒くなりにくいこともポイントです。
サーモバリアの耐用年数は約10年が目安となります。
工事期間は屋根の大きさや状態によって異なり、4日〜20日程度かかります。
具体的な目安は以下のとおりです。
・50平方メートルの屋根:4日程度
・100平方メートルの屋根:6日程度
・500平方メートルの屋根:20日程度
自社の事務所や工場、倉庫などで、暑さや寒さにお悩みの方は、遮熱シート「サーモバリア」の施工を検討するのがおすすめです。
遮熱シート「サーモバリア」を工場屋根に設置するメリットは以下の通りです。
・労働環境を改善できる
・在庫の劣化を防止できる
・雨漏りを防止できる
・サーモバリアは補助金の対象になる可能性がある
それぞれ詳しく紹介するので、参考にしてください。
サーモバリアを施工すると、建物内が夏に暑くなりにくく、冬は寒くなりにくくなるため、労働環境を改善できます。
特に夏にエアコンが利いていないように感じる、熱中症になる従業員がいる、という職場にはサーモバリアが有効です。
冷暖房がききやすくなる効果もあるため、光熱費を節約することもできます。
労働環境が改善されると従業員の生産性向上も期待できるため、自社の労働環境に課題を抱えている方は、サーモバリアの施工をご検討ください。
サーモバリアを施工すると、工場や倉庫内に保管している在庫を熱による劣化から守ることができます。
在庫の種類によっては、熱で劣化したり故障したりする場合があるため、注意が必要です。
サーモバリアを施工すると、真夏でも暑くなりすぎず、冷房も利きやすくなるため、劣化や故障の心配が少なくなります。
熱による在庫の劣化でお悩みの方は、工場や倉庫にサーモバリアを施工するのがおすすめです。
サーモバリアは屋根の上に貼り付けるものであるため、雨漏りを防止できます。
特に、サーモバリアスカイ工法で使用する材料はアルミと塩ビシートをあわせた素材です。
アルミの遮熱性能と耐候性に塩ビ(プラスチック)の耐久性がかけ合わさるため、雨漏りを防止できます。
既に雨漏りをしている場合でも、サーモバリアを施工して、原因となっている箇所を塞ぐことで雨漏りを止めることが可能です。
サーモバリアをはじめとした遮熱シートの施工には、補助金が出る可能性があります。
実際に「カーボンニュートラル・工場就労環境改善・働き方改革に関する補助金」を使った会社の例があります。
事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金も内容次第では対象になる可能性があるため、事前に確認しましょう。
ただし施工前に申請しないと認められない場合があるため、注意が必要です。
補助金の対象になる場合でも、申請が施工中や施工後になると申請が認められません。
事前に国の制度や都道府県、市町村の補助金を調べて、自社の施工が対象にならないか確認するのがおすすめです。
遮熱シート「サーモバリア」の注意点は、以下が挙げられます。
・完全に熱を防げるわけではない
・カビが発生する場合がある
・認定工事店以外では取り扱えない
・耐用年数がある
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひご覧ください。
サーモバリアは完全に熱を防げるわけではありません。
建物内への主な熱の伝わり方は「輻射熱」「対流熱」「伝導熱」の3通りです。
サーモバリアは輻射熱をカットできますが、対流熱と伝導熱は防ぐことができません。
ただし、建物内での熱の伝わり方は輻射熱が大きな割合を占めるため、夏の暑さには輻射熱対策が有効です。
輻射熱をカットするサーモバリアを施工すると、建物内へ伝わる熱が大幅にカットされるため、夏に建物内の温度が上がりにくくなります。
対流熱と伝導熱も防ぎたい場合は、サーモバリアと断熱材を併用するのがおすすめです。
断熱材が対流熱と伝導熱をカットしてくれるので、建物内へ熱が伝わるのを大きく抑えられます。
サーモバリアを含む遮熱シートは、建物内が暖かく外が寒い冬に結露が発生し、カビにつながるおそれがあります。
特に建物内に遮熱シートを貼る場合は、寒暖差が大きくなりやすいため、注意が必要です。
結露対策としては、遮熱シートと断熱材の併用が挙げられます。
断熱材で外の寒さが遮熱シートに伝わりにくく、温度差が小さくなるので、結露の発生が抑えられます。
遮熱シートを室内に貼る場合は、断熱材との併用をご検討ください。
サーモバリアは完全施工販売店制度が設けられており、認定工事店以外では取り扱うことができません。
サーモバリアスカイ工法の施工販売店となるには、メーカーの品質・販売・施工講習研修を受講し、合格する必要があります。
合格していないと、サーモバリアスカイ工法で施工することができません。
サーモバリアでの施工を希望する場合は、依頼先が認定工事店かどうか確認しましょう。
なおクールルーフ.jpは、サーモバリアスカイ工法の施工販売店です。
サーモバリアの主な施工方法である「スカイ工法」「トップ工法」は、シートが屋外に露出されるので、自然環境の影響で劣化してしまいます。
耐用年数は約10年が目安です。
屋外に露出しない屋根下や屋根裏、天井上、壁の内部、床下などに施工した場合は、より長期間持つ場合もあります。
耐用年数が気になる方は、施工業者に相談のうえ、遮熱効果なども考慮して判断するのがおすすめです。
遮熱シート「サーモバリア」の主な施工方法は以下の2つです。
・スカイ工法
・トップ工法
それぞれ解説するので、サーモバリアを施工する際の参考にしてください。
スカイ工法は、折板屋根(金属屋根)にアルミシートを両面テープで直接貼る工法です。
使用する両面テープは耐久性に優れており、スカイ工法は風速40mもの強風での耐風圧試験をクリアしています。
風速40mは、屋根瓦が広範囲に飛んだり道路標識が傾いたりするほどの強風です。
スカイ工法で施工すると、責任施工制度の対象となるため、施工後に10年の製品保証書が発行されます。
万が一、雨漏りなどで被害を受けても、施工後10年間は保証を受けられるので安心です。
スカイ工法は簡単に言えば屋根に両面テープでアルミシートを貼るだけなので、作業員の技量の優劣が出にくく、安定して効果を発揮します。
スカイ工法で使用するシートはアルミと塩ビシートでできているため、耐候性が高く、雨漏り対策としても有効です。
ただし、折板屋根以外の屋根では施工できないのが注意点です。
トップ工法は、屋上の勾配がない「陸屋根」で用いられる工法です。
屋根に接着剤を塗布し、サーモバリアを貼り付け、シートとシートの間を専用のテープで貼り合わせます。
スカイ工法との違いは、使用されるサーモバリアの防水性能です。
スカイ工法で使用されるサーモバリアはアルミシート+樹脂シートになっており、シートそのものに防水性能があります。
トップ工法で使用されるサーモバリアは、表面のアルミ材で防水します。
それぞれのサーモバリアの防水性能は施工方法にあわせたものなので、優劣があるわけではありません。
遮熱塗料とは、太陽光を反射する性能がある塗料のことです。
屋根や外壁に遮熱塗料を塗ることで、太陽光を反射し建物内の温度上昇を抑えられます。
サーモバリアと遮熱塗料の違いは、作業者によって効果にムラがあるかどうかです。
遮熱塗料は作業者の技量や経験などによって、効果に違いが出てしまいます。
さらに季節や天候、気温による塗料の液だれや乾き方の違いなどにより、遮熱効果が出たり出なかったりすることもあります。
一方、サーモバリアはシートを貼り付ける工法なので、作業者の技量に差が出にくく乾かす必要もありません。
安定した効果も期待できますし、雨漏り対策にもなります。
サーモバリアと遮熱塗料を比較するなら、サーモバリアをおすすめします。
本記事では遮熱シート「サーモバリア」の概要を紹介しました。
サーモバリアは熱の反射率を高くする純度99%以上のアルミ箔を使用した遮熱シートです。
事務所や工場などの屋根に施工すると、太陽の輻射熱をほとんどカットするので、建物内の温度上昇を抑えられます。
冬に寒くなりにくくなったりする特徴もあるため、事務所や工場などでの暑さや寒さにお悩みの場合は、サーモバリアの施工がおすすめです。
労働環境を改善することで、生産性向上も期待できます。
ただし、サーモバリアは認定工事店以外では取り扱えません。
サーモバリアの施工を希望する場合は、依頼先が認定工事店かどうかご確認ください。