近年は夏場の気温が高く、熱中症のリスクが高まっています。
夏場の工場内の気温は高温になりやすいため、適切な暑さ対策を行わないと、熱中症を引き起こすかもしれません。
工場内を適温に保つことで労働環境を快適にできるだけでなく、従業員の集中力を高め、業務の生産性を向上できます。
本記事では工場の暑さ対策の具体的な方法を解説します。
夏場の工場の暑さに悩んでいる企業担当者の方はぜひご一読ください。
目次
夏場に工場が暑くなる原因は以下の2つに分けられます。
・屋根や外壁からくる暑さ
・工場内の機械からくる暑さ
どういうことか、詳しく説明します。
夏場に工場が暑くなるのは、屋根や外壁からくる暑さが原因のひとつです。
直射日光により熱せられた屋根や外壁から室内にいる人へ熱が伝わっていくため、暑さを感じてしまうのです。
温度が高い物質から低い方へ移動する熱を輻射熱と呼びます。
そもそも屋根や外壁の構造が熱を溜めやすいことも、工場が暑くなる原因として挙げられます。
工場の状態にもよりますが、建物からくる輻射熱の影響で工場内の室温が40〜45℃になる場合もあるのです。
夏場に工場が暑くなるのは、工場内にある機械からくる暑さも原因のひとつです。
工場で使用する機械からも輻射熱が放出されるため、工場内の室温が上がってしまいます。
夏場では熱中症になるリスクが高まるため危険です。
屋根や外壁だけでなく、機械から放出される輻射熱にも対策しなければなりません。
では、工場の暑さ対策には具体的にどのような方法があるのか解説します。
夏場の工場の暑さ対策を行うためには、空調や冷却設備を設置することが有効です。
暑さ対策におすすめな設備は以下のとおりです。
・スポットクーラー
・大型扇風機、シーリングファン
・屋根用スプリンクラー
・遮熱塗料、遮熱シート
それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
スポットクーラーとは、ピンポイントで外気を冷却、送風する機械のことです。
冷たい風を直接人に当てることで体温を下げ、熱中症のリスクを軽減できます。
冷房範囲は広くありませんが、手軽に移動できる点や省エネ効果の高さから人気のアイテムの1つです。
スポットクーラーはあくまで局所的に温度を下げる設備です。
ベルトコンベアなど従業員の作業位置がある程度固定されている作業場で使用すると高い効果を得られます。
大型扇風機とは、家庭用よりもやや大きめの扇風機のことです。
冷房を使用するよりも光熱費を抑えやすく、工場内に風の流れを作り出せるのがメリットです。
シーリングファンとは天井に設置する扇風機のことで、工場全体に満遍なく空気を循環させられます。
大型扇風機やシーリングファンは、エアコンよりも光熱費がかかりにくいです。
併用することで冷たい空気を工場内に満遍なく行き渡らせやすい、という特徴があります。
屋根は建物の中で最も温度が上がりやすい箇所のため、屋根自体を冷やすことで工場内の室温が上がりにくくなる効果が期待できます。
屋根を冷やし室内の温度の上昇を抑えるためには、屋根用スプリンクラーが有効です。
屋根用スプリンクラーは、水を噴射することで屋根自体を冷やす効果があります。
設置はそこまで大がかりではありませんが、スプリンクラーが稼働している間は水道代、電気代などランニングコストがかかってしまいます。
またスプリンクラーを使用すると水が蒸発するため、かえって蒸し暑くなる点に注意が必要です。
遮熱塗料には紫外線を反射する特性があるため、屋根に塗装すると屋根が吸収する熱を抑えられます。
直射日光による輻射熱を抑えるため屋根に遮熱シートを設置することも、暑さ対策に有効です。
遮熱塗料や遮熱シートは低コストで設置可能です。
しかしどちらも耐用年数があるため、永続的な対策というわけではありません。
クールルーフ.jpでは、サーモバリアという遮熱シートを取り扱っています。
サーモバリアとは、純度99%以上のアルミ箔を使用した遮熱シートです。
純度の高いアルミシートは太陽からの熱を反射できるため、屋根に当たった輻射熱の97%をカットできます。
工場内の機械をサーモバリアで覆うことで、機械からの熱を軽減します。
建物の中の温度上昇を抑えて、暑さを軽減できるのです。
また冬場は室内の暖かい空気が逃げるのを防止できるため、保温効果があります。
一部の認定業者しか取り扱えない商品なので、気になった方はぜひこちらからクールルーフ.jpまでお問い合わせください。
夏場の工場の暑さ対策にはグッズで対策をすることも有効です。
暑さ対策におすすめのグッズは以下のとおりです。
・空調服
・アイスベスト(クールベスト)
・コンプレッションウェア
・冷却タオル、マフラー
それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
空調服とは、作業服の中に小型のファンが内蔵された服のことです。
取り込んだ外気を送風することで、気化熱により体温を下げます。
充電や電池の交換が必要になるため、定期的な充電や予備電池を準備しておく必要があります。
ほこりや粉塵が舞いやすい作業場の場合は、ファンが故障するリスクがあるため注意が必要です。
アイスベストは、クールベストとも呼ばれる道具です。
衣服のポケットに保冷剤が入るため涼しい状態を維持しやすい、という特徴があります。
インナータイプのベストと空調服を併用すると、より高い冷却効果を実感できます。
コンプレッションウェアとは、作業服の下に着用する伸縮性のあるインナーです。
伸縮性のある素材のため体にフィットして水分を吸収できるだけでなく、汗を放出しやすい素材が使用されています。
通常の作業服では汗をかいても張り付いてしまったり、なかなか乾かず不快に感じてしまったりするのがデメリットとして挙げられます。
しかしコンプレッションウェアを着用すれば、このような不快感を軽減することが可能です。
素材は接触冷感のものを使用している製品が多いため、暑い夏でも涼しさを感じられます。
冷却タオルやマフラーは、水に濡らすとひんやりと冷たく感じられる、特殊な素材でできています。
汗を拭くだけで清涼感を感じることができるものや、保冷剤を使用して体感温度を下げられるものもあります。
瞬冷タイプのタオルなどもあり、水分を含むと気化熱を発生させることで、ひんやりと感じることも可能です。
即効性の高いアイテムなだけでなく、身につけながら作業していても邪魔にならないというメリットがあります。
低価格で購入できますが、冷却効果の持続時間が短いのがデメリットです。
本記事では夏場の工場の暑さ対策について解説しました。
暑さの対策として、空調設備を導入したり、従業員一人ひとりがグッズを活用したりするのが有効です。
設備を導入するには多額の費用が必要になるため、工場全体を冷やしたいのか、部分的に冷やしたいのかなど、目的を明確にしてから検討する必要があります。
暑さの原因をしっかりと見極めて適切な対策を取るようにしましょう。