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工場で熱中症が発生したら?対策や従業員が倒れた場合の対処法を紹介

2023.03.13 Mon

「夏場の工場が暑すぎて辛い」
「職場内での熱中症が心配だけど、どう対策すれば良いのだろう?」

このような疑問や不安を持っている方もいるのではないでしょうか。

工場内は熱がこもりやすく、熱中症リスクの高い現場です。

しかし、職場の暑さ対策をしっかりできているところは意外と多くはありません。

工場内の暑熱の原因と効果的な対策方法がわかれば、熱中症対策はぐんと進みます。

本記事では工場の熱中症対策をテーマに、下記の内容についてご紹介します。

・工場でできる熱中症対策
・万が一熱中症患者が生じた際の対応
・熱中症対策の怠りからくるデメリット

工場や事務所など、職場の熱中症対策にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

工場でできる熱中症対策の方法

一般家庭と異なり、夏場の工場の暑熱には、水分補給やエアコンだけで太刀打ちするのは難しいものです。

工場で実施できる効果的な熱中症対策として、下記の項目をご紹介します。

・屋根に遮熱加工を行う
・外壁からの暑さ対策を行う
・空調設備を整える
・機械からの排熱を逃がす
・働き方を見直す

それぞれの対策法を具体的に解説します。

屋根に遮熱加工を行う

熱中症をもたらす暑熱の要因は、太陽で熱せられた屋根から伝わる輻射熱(赤外線による熱)にあります。

したがって遮熱塗料や遮熱材などを用いた屋根の遮熱加工は、従業員の熱中症対策に有効です。

暑熱を和らげる施策として遮熱材と断熱材が広く知られていますが、効率的に室温の上昇を防ぐには遮熱材の使用をおすすめします。

なぜなら夏の暑さの原因は太陽光による輻射熱が原因だからです。

遮熱材は輻射熱をカットできるため、屋根に設置することで室内の温度上昇が抑えられます。

なお遮熱材と断熱材は併用することも可能です。

併用することで夏の暑さによる室温上昇が和らぎ、工場内で働く人も動きやすくなります。

外壁からの暑さ対策を行う

暑さ対策として、外壁に遮熱塗料を使用することも重要です。

外壁からも太陽の熱が伝わってくるため、何も手を打たなければ室温が上昇しやすくなります。

遮熱塗料や断熱材を使用して、外壁からの厚さも防ぎましょう。

なお断熱材と遮熱材を併用すると、冬場の結露対策にもなります。

空調設備を整える

空調設備を整えることも、工場の暑さ対策として重要です。

たとえば風通しが良くなるよう工場内のモノの配置を見直したり、扇風機やエアコンを導入したりすることが挙げられます。

ただし広い工場の場合、空調システムの導入や維持費は高くなりがちです。

効率的に熱中症を対策するなら、スポットクーラーの導入もおすすめです。

作業する場所だけスポットでクーラーを当てることができるため、冷房費を抑えつつ熱中症リスクを低くできます。

機械からの排熱を逃がす

機械からの排熱を逃がすことも、工場内の室温上昇を抑制するのに効果的です。

機械から発散される熱を外に逃がすには、排熱ダクトやファンの導入が有効です。

大型設備の導入はコストや手間がかかりますが、機械熱による暑熱をクリアできれば工場内の暑さ対策は大きく進歩します。

働き方を見直す

手軽にできるシンプルな熱中症対策に、こまめな水分補給や塩分補給があります。

工場内においていつでも水分や塩分を補える環境を整備すれば、熱中症のリスクを大きく低減できます。

たとえば従業員へ塩飴を配ったりこまめに休憩を取らせたりする試みは、熱中症対策の観点からも有効です。

また定期的にスポーツドリンクを飲むように促すだけでも、従業員が熱中症にかかるリスクを下げられます。

工場の暑熱は従業員に不調をもたらす他、生産効率の低下にもつながります。

働き方を見直す一環として、まずは上記のような熱中症リスクを下げる行動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

工場で従業員が熱中症になった場合の対策

どれほど注意していても熱中症のリスクをゼロにはできません。

上記で紹介した熱中症対策を試みると同時に、万が一熱中症患者が発生した場合に備えて下記の対応を覚えておきましょう。

・応急処置を行う
・症状が重ければ救急車を呼ぶ

以下ではそれぞれの対応を具体的に解説します。

応急処置を行う

従業員にめまいや吐き気、頭痛や大量の発汗など熱中症を疑う症状が認められる場合、速やかに涼しい場所に避難させましょう。

ベルトやネクタイなど体を締め付けるものは全て緩め、風通しを良くしたうえで体を冷やします。

体に水をかけたり氷のうなどで脇や手首・足首を冷やしたりして、なるべく早く体温を下げる試みが大切です。

倒れた人の意識がはっきりしているのであれば、自力で水分や塩分を摂ってもらうよう促します。

水分補給により症状が改善してもすぐ現場に復帰させず、しばらく休憩させることが大切です。

症状が重ければ救急車を呼ぶ

熱中症による意識障害がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

意識障害の判断基準は、下記のとおりです。

・意識がはっきりしていない
・呼びかけに応じない
・自分で水分補給ができない

救急車を待つ間は涼しい場所に移動し、衣服の締め付けを緩めて体を冷やす応急処置を行います。

意識障害がある場合、無理に水分補給をさせると気道に水が流れ込んでしまう恐れがあるため危険です。

救急車が来るまで涼しい場所で安静にさせましょう。

工場の熱中症対策を行わないデメリット

会社側ができる熱中症対策を怠った場合、下記に挙げるデメリットが生じかねません。

・従業員が離れていきやすくなる
・労災が発生する恐れがある
・安全配慮義務違反で訴えられる恐れがある

以下ではそれぞれのデメリットを具体的に解説しましょう。

従業員が離れていきやすくなる

現場の熱中症対策をきちんと行わない会社は、従業員の健康管理を軽んじていると評価される恐れがあります。

従業員をただの労働力とする会社では、従業員の愛社心は育たず会社全体の士気は下がることが懸念されます。

また会社の雰囲気や内実がネット上で調べられるため、悪い評判が目立つようになれば採用が難しくなる恐れもあるのです。

労働環境の悪さがさらなる人手不足を招き、生産性の低下や人材の外注費の増大につながりかねません。

労災が発生する恐れがある

熱中症による手足のしびれや立ちくらみなどが原因で業務中に怪我や事故が起きた場合、労災に認定されるケースがあります。

労災認定で会社側が受けるデメリットには下記があります。

・会社のイメージダウン
・退職者の発生や入職希望者の減少

状況によっては従業員が訴訟を起こして損害賠償金を迫られる可能性もあります。

熱中症対策をはじめとして、労災が発生しにくい職場作りを行うことが大切です。

安全配慮義務違反で訴えられる恐れがある

熱中症対策をまったく行わないと、安全配慮義務違反で従業員から訴えられる恐れがあります。

安全配慮義務とは、使用者(会社)が労働者(従業員)の安全を確保しつつ労働させることを定めたものです。

熱中症により従業員に死亡や重度の障害が生じた場合、多額の損害賠償金が発生する恐れがあります。

工場の熱中症対策を考えてみませんか

工場で働く人たちの健康を守るためにも、熱中症対策について考えることは重要です。

・屋根に遮熱加工を行う
・空調設備を整える
・機械の排熱を逃がす
・働き方を見直す

このような方法で、工場内の暑さを防ぐことができます。

熱中症対策を怠ると従業員の離職や訴訟リスクが高まるため、ぜひ今のうちに対策を実施しましょう。

 

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この記事は「内野 友和」が
書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。
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