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工場のスレート屋根が暑くなる原因は?おすすめの対策を紹介

2023.08.09 Wed

「屋根の温度を下げる方法はあるの?」
「スレート屋根の工場内が暑すぎて熱中症が心配」

これらの疑問や不安は、スレート屋根が使われることの多い工場の管理者や従業員の方によくあるものです。

スレート屋根は材質上暑さが室内に伝わりやすいうえ、工場内の熱源となる設備や作業工程から現場は高温になる傾向にあります。

しかし適切な対策を施すことで暑さを抑え、作業効率の向上や熱中症の予防が可能です。

本記事では工場の暑さの要因や有効な対策法、遮熱シートを使用するうえでの注意点などを解説します。

夏の暑さ対策を模索している方は、ぜひ参考にしてみてください。

スレート屋根の工場が暑くなりやすい理由


工場内が暑くなりやすい理由には、下記の3つがあります。

・輻射熱がこもりやすい
・スレート屋根や折板屋根などを使用している
・空調が効きにくい

各要因を具体的に解説します。

輻射熱がこもりやすい

工場内が暑くなりやすい要因に、輻射熱による影響があります。

輻射熱とは物体が熱エネルギーを電磁波として放射する現象のことで、暖かい場所から冷たい場所に移動する性質を持つものです。

工場では大型の機械や設備が稼働しており、エンジンやモーターなどの動作による熱が発生します。

特にヒーターやボイラー、乾燥炉などの熱源となりやすい設備があれば、室温の上昇は顕著です。

これらの熱と太陽光による輻射熱の影響が相まって、工場は一般的な施設よりも暑さを感じやすくなります。

スレート屋根や折板屋根などを使用している

工場や倉庫などに多いスレート屋根や折板屋根は熱を通しやすく、室内に暑さが伝わりやすい性質を持ちます。

なぜならスレートや折板は金属やセメントを原材料にしているため、熱の伝導率・吸収率が高く屋根材自体が高温になりやすいからです。

さらに壁面や床も金属やコンクリートなどの吸熱性の高い材質の場合、吸収した熱が室内に戻され室内全体の温度を上昇させます。

熱は温度の低いところへ流れる性質があるため、最も低温である人体の深部は温められ蒸し風呂のような暑さを感じるケースもあるでしょう。

空調が効きにくい

工場は空間が広く天井も高いため、空調設備を導入しても室温が下がりにくい傾向にあります。

大きな空間では空調が均一に広がりにくいうえ、太陽光や機械による輻射熱が冷気に勝りがちです。

中には物や人の出入りが多く出入り口が開け放たれているケースもあり、室内を冷やしてもすぐに冷気が逃げてしまうこともあります。

さらに工場は一般的なオフィスや住宅に比べると窓が少ない傾向にあり、熱気を外に逃しにくい環境です。

熱気の滞留に加え新たな冷気が入って来ない状態では室内の温度はどんどん上昇し、場合によっては40℃近い室温になることもあります。

スレート屋根の暑さ対策におすすめの方法


スレート屋根の暑さを防ぐには、下記を用いるのが有効です。

・遮熱シート
・遮熱塗装
・スプリンクラー

以下ではそれぞれの対策法を具体的に解説します。

遮熱シート

屋根への遮熱シートの設置は、工場内の暑さ対策として非常に有効です。

遮熱シートは太陽光による輻射熱を跳ね返し、室内への熱伝導を大幅にカットしてくれます。

特に純度99%以上のアルミ箔で作られた遮熱シート「サーモバリア」は屋根の輻射熱を97%抑えられ、室内の体感温度に大きな影響を与えるものです。

屋根の面積や室内の環境によって効果はさまざまですが、サーモバリアを設置した施設の中には夏場の室内温度を11℃下げられた事例もあります。

室内が涼しくなり従業員が快適に働けるようになると、作業効率の向上も目指せるでしょう。

遮熱塗装

屋根に遮熱塗料を塗ることも、太陽光による輻射熱をカットし熱の伝導を防ぐ方法の一つです。

遮熱塗料には、太陽光の一部である「近赤外線」を反射する効果があります。

近赤外線は熱エネルギーを持っており、物体に当たることで熱を発する性質のある電磁波の一種です。

遮熱塗料によって近赤外線を反射し建物内部に熱がこもるのを防げれば、快適な室内環境を保ちやすくなります。

ただし職人のスキルによって効果にムラが生じたり、季節や天候によって乾き具合が異なったりする点に注意が必要です。

断熱材

断熱材は、液体や気体の中で熱が流体の流れによって伝わる対流熱と固体の中で熱が分子同士の振動によって伝わる伝導熱の双方を防げます。

ホットカーペットや湯たんぽなどの熱が伝導熱、エアコンや蝋燭などの熱が対流熱に当たります。

ただし断熱材は夏の暑さの要因である太陽光の輻射熱を吸収してしまうため、輻射熱をカットする効果は見込めません。

一方、遮熱シートは輻射熱をカットできるものの対流熱と伝導熱を防げません。

外からの熱をより抑えるには、遮熱シートと断熱材との併用が有効です。

3種類の熱を全て抑え暑さ対策の効率を上げるなら、遮熱シートと断熱材を組み合わせるのがおすすめです。

屋根散水(スプリンクラー)

スプリンクラーから屋根に水をまき、屋根の温度を下げる方法です。

屋根にかかった水が水蒸気に変わる際に生じる「気化熱」という熱エネルギーを利用することで、屋根の温度が下がります。

ただし、日常的な散水により屋根材に藻やカビを生じさせてしまうリスクがある点には注意が必要です。

長期的な暑さ対策を踏まえると、屋根材のこまめなメンテナンスが必要となる屋根散水の方法はかえってランニングコストがかかってしまいかねません。

スレート屋根の暑さ対策には遮熱シートがおすすめ

スレート屋根の暑さ対策には、ランニングコストがほとんどかからず塗りムラが発生しない、遮熱シートの設置がおすすめです。

ウチノ板金は熱反射に優れた遮熱シート、サーモバリアを取り扱っています。

以下ではサーモバリアをスレート屋根に設置する工法である「スレート屋根下施工法」と「トップ工法」を紹介します。

【トップ工法】
トップ工法は、陸屋根(平坦な屋根)に0.2mm厚のサーモバリアトップを直接貼る方法です。

職人が専用の接着剤やアルミテープを用いて、サーモバリアトップを屋根に密着させながら設置していきます。

工場の他、学校や体育館などにも用いられることがあり、太陽光を反射することで建物全体の温度を適切に維持する工法です。

シートは3層構造になっており、表面のアルミ材は防水の役割も果たしています。

【スレート屋根下施工法】
スレート屋根下施工法とは、室内側の屋根にサーモバリアSをタッピングで設置する工法です。

室内での作業となるため、設置期間中は高所作業車または足場の設置が必要となります。

したがって、ある程度の作業スペースを確保しておくことを念頭に施工日を決めるのが安心です。

なおサーモバリアSは雨の当たらないところに貼るため、シート自体に防水性はありません。

遮熱シートの設置時の注意点


遮熱シートの設置時には下記の点に注意が必要です。

・DIYはおすすめできない
・断熱材との併用も検討する
・面積が広いと施工期間が長引く

以下ではそれぞれの注意点を具体的に解説します。

遮熱シートの導入を検討されている場合、参考にしてみてください。

DIYはおすすめできない

屋根への遮熱シート設置をDIYで行うのはおすすめできません。

そもそも遮熱シートの適切な設置には専門的な知識や技術が必要なため、DIYで行うと十分な効果が得られない可能性があります。

また屋根への登り降りや高所での作業は、転落やけがの危険が伴い危険です。

さらにシートや工具などが落下する可能性もあり、周囲の人にケガをさせる可能性もあります。

万が一トラブルが発生した場合、ひとりで作業していると周囲の人に気づいてもらえないケースもあるためDIYは避けるべきです。

断熱材との併用も検討する

室内と屋外の寒暖差が激しい冬場は、冷たい遮熱シートが室内の暖気に触れ結露が生じやすくなります。

特に冬場が低温になりやすい地域は、適切な結露への対策が必要です。

結露対策におすすめなのが、遮熱材と断熱材の併用です。

緩やかに熱を吸収する断熱材は、遮熱シートを温度差から保護してくれます。

結露はカビの発生にもつながるものなので、建物の長期的な維持を考慮すると遮熱シートと断熱材は併用しておくのが安心です。

面積が広いと施工期間が長引く

屋根の面積が広いと、遮熱シートを設置する期間が長くなる場合があります。

特に室内側での設置作業の場合、施工が長引くと業務に支障が出る可能性がある点に考慮が必要です。

もちろん業務に支障がでないよう配慮しながら施工はすすめますが、どうしても車両や人が出入りするためご迷惑をおかけする可能性があります。

作業に影響がでるなどリスクがあると分かった場合は、すぐにご相談させていただきます。

スレート屋根の暑さ対策を実施して快適な室温を保とう


遮熱シートの設置は、スレート屋根の工場内を涼しくするうえで有効な対策法です。

特に純度の高いアルミを使用したサーモバリアには室温を10℃以上さがった事例もあり、日本の暑い夏を乗り切る心強い味方となってくれるでしょう。

ただし遮熱シート単独の設置では冬場に結露やカビが生じやすくなるため、断熱材との併用を検討する必要があります。

お住まいの地域の気候や建物の状態などを業者に相談して、適切な施工のアドバイスを受けるのがおすすめです。

クールルーフ.jpでは遮熱シート「サーモバリア」の設置を行っています。

工場の暑さや輻射熱への対策を検討している方は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。

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この記事は「内野 友和」が
書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。
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