「物流倉庫の暑さ対策を知りたい」
「暑さ対策を実施して、従業員の体調管理や熱中症予防を行いたい」
このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
物流倉庫では、従業員の体調管理や製品の保管温度を保つため暑さ対策が必要です。
本記事では物流倉庫の暑さ対策について、以下の内容を解説しています。
・物流倉庫の暑さの原因
・物流倉庫の暑さ対策
・物流倉庫で暑さ対策が必要な理由
記事を読めば、物流倉庫で暑さ対策を行うべき理由や具体的な対処方法がわかります。
物流倉庫の暑さ対策を検討されている企業担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
物流倉庫が暑くなる原因は主に3つあります。
・太陽からの輻射熱が影響している
・空調効率が悪い
・電気代節約による弊害
物流倉庫に限った話ではありませんが、参考として「年々気温が上昇している」ことについても解説します。
詳しく見ていきましょう。
物流倉庫内が暑くなる原因として、太陽の輻射熱により建物の屋根や外壁温度の上昇が挙げられます。
輻射熱は「温度が高い方から低い方へ移動する」といった性質があります。
建物の屋根や外壁の熱が、温度の低い物流倉庫内の人体に向けて放出されるのです。
特に金属製の屋根を使っている物流倉庫では、熱が伝わりやすく屋根が高温になるため、暑さ対策をしっかり行う必要があります。
物流倉庫によっては空調効率が悪いケースもあります。
空調効率が悪い物流倉庫の特徴は下記のとおりです。
・施設内が広く、空調設備が十分でない
・空調設備が老朽化している
・天井が高く、空調が機能しにくい
空調効率がよくないと、物流倉庫内の空気が滞留してしまい熱がこもってしまいます。
物流倉庫内の温度が上がる原因となるので対策が必要です。
電気代削減のために空調設備を十分機能させておらず、倉庫内の温度が下がっていないケースがあるので注意が必要です。
省エネや電気代節約を目的に、冷房の設定温度を高く設定しており、従業員が暑い中の作業を強いられている場合があります。
気代節約が目的であれば、冷房の設定温度を高くすることは理にかなっています。
しかし、結果として生産性が低下したり従業員の健康被害を引き起こしたりするのは問題です。
電気代節約を目指す場合でも、その日の気温に合わせて設定温度を変更するなど、柔軟な対応が求められます。
参考として、年々気温が上昇していることも物流倉庫が暑くなる原因のひとつなので紹介します。
2022年夏の日本の気温は、1898年の統計開始以来2番目に高い値となりました。
長期的にみると100年当たり1.19℃の割合で気温は上昇しています。
年々気温が高くなっているので、より一層の暑さ対策が必要です。
業者が物流倉庫に対してできる暑さ対策は、下記の5つです。
・空調設備の修理や増設
・シーリングファンの設置
・スポットクーラーの利用
・屋根用スプリンクラーの導入
・遮熱シートの導入
それぞれ詳しく紹介します。
空調設備の修理や増設を検討しましょう。
空調効率が悪いと、物流倉庫内が暑くなってしまう可能性が高いからです。
空調が十分機能しているか見極めるため、設備の点検を行ってください。
空調設備の点検をして修理が必要な箇所が見つかった場合は、早めの対処が必要です。
故障がなくても空調効率が悪い場合は、設備の増設や空調効率の改善などで対応しましょう。
空調効率がよくなると物流倉庫内の暑さ対策になるので、積極的に行うのがおすすめです。
シーリングファンの設置は、物流倉庫の暑さ対策に有効です。
シーリングファンとは天井に取り付けるタイプの扇風機のことで、空気を循環させて空調効率を上げられます。
エアコンのような複雑なメンテナンスも必要ないため、長期的な視点でもおすすめできる対策です。
エアコンが設置できない場所には、スポットクーラーを設置するのがおすすめです。
スポットクーラーを使えばピンポイントで作業している場所を冷やせるため、作業中の暑さを和らげることができます。
ただし、スポットクーラーの吸気・排気ダクトを屋外に設置できない場合は注意しましょう。
排熱で気温が上昇し、物流倉庫内がさらに暑くなってしまう恐れがあるからです。
スポットクーラーを利用する場合には、なるべく窓や出入口などで吸気・排気ダクトを外に出せる環境にしてください。
エアコンが設置しにくい作業場所には、スポットクーラーの利用を検討してみましょう。
屋根からの輻射熱を和らげるなら、屋根用スプリンクラーが有効です。
屋根用スプリンクラーは名前のとおり、屋根の上に設置するスプリンクラーのことで、屋根全体への散水を行う設備です。
散水により屋根全体を効率よく冷やせるため、物流倉庫内の温度を下げられます。
ただし、屋根用スプリンクラーは、高額な初期費用がかかります。
屋根を冷やすために水道代などのランニングコストも必要です。
鉄製の屋根の場合は、サビによる劣化のおそれもあります。
デメリットも多いため、導入の際には十分な検討が必要です。
遮熱シートを導入すれば、屋根からの輻射熱を防げます。
金属屋根にアルミシートを使用するだけで、夏の室内温度を11℃も下げる効果があります。
遮熱シートの「サーモバリア」は純度99%以上のアルミ箔を使用した遮熱シートであり、夏の暑さ対策に有効です。
高純度のアルミが輻射熱を反射するので、工場内の温度上昇を防ぎます。
「サーモバリア」は認定を取った限られた工事店のみが施工できる商品です。
クールルーフ.jpは「サーモバリア」の認定代理店です。
遮熱シートの導入をお考えの方は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。
作業を行う労働者に対しても、暑さ対策を行う必要があります。
企業側が労働者に行う対策は下記のとおりです。
・労働者の健康状態をチェックする
・適度な水分補給
・適度な塩分補給
・こまめな休憩
・空調服を着用する
・暑さ対策グッズの活用
それぞれ詳しく紹介します。
現場の責任者は、業務開始前に労働者の健康状態をチェックしましょう。
体調が万全ではない中で高温の物流倉庫で作業していると、熱中症や脱水症状を引き起こし倒れてしまうおそれがあります。
責任者は、労働者が睡眠不足になっていないか、風邪をひいていないかなど、労働者の健康状態を把握しておく必要があります。
体調が万全でない労働者は作業時間を短くする、暑い環境での作業をさせない、こまめに休憩を取らせるといった配慮や対策が必要です。
体調不良の際に報告しやすい環境づくりや、緊急時に他の労働者でフォローできる体制づくりも重要となります。
物流倉庫の暑さ対策として、適度な水分補給を実施することは大切です。
汗によって体内の水分が奪われるので、こまめな水分補給が必要だからです。
企業側は労働者が適度な水分補給ができるように、休憩時間をこまめに設定しましょう。
塩分補給も大切なのでスポーツドリンクを活用するのがおすすめです。
暑さ(熱中症)対策には、こまめな水分補給が大切だと意識しておきましょう。
温度が高い物流倉庫では、水分とあわせて適度な塩分補給も必要です。
物流倉庫内での作業は、大量に汗をかくため、水分と同時に塩分も失ってしまいます。
特に塩分不足は熱中症のリスクを高めるため、こまめに塩分補給をしないといけません。
また高温下での作業を行う場合は、通常時よりも塩分を取っておくのもおすすめです。
塩分補給にはスポーツドリンクのほか、塩分入りのタブレットやゼリー飲料、梅干しなどが効果的です。
休憩時などに、気軽に補給できるものを選びましょう。
水分補給と塩分補給に加えて、こまめな休憩も必要です。
環境省や厚生労働省では、暑さ指数(WBGT)に応じた十分な休憩時間の確保を推奨しています。
暑さ指数(WBGT)とは、1954年にアメリカで提案された熱中症予防を目的とした指標のことです。
暑さ指数に準じた休憩時間を設定することで、熱中症のリスクを下げられます。
まずは、環境省や厚生労働省のホームページを参考に、物流倉庫内の暑さ指数を計算しましょう。
算出されたその日の暑さ指数に応じて。作業内容や休憩時間を決めるという流れです。
労働者が暑さに体が慣れていない場合は、通常よりも頻繁に休憩を取らないと、体調を崩すおそれがあります。
熱中症を予防するには、労働者全員を対象とした一律の対策だけでなく、個別の対策も講じる必要があります。
空調服を着用することで暑さ対策ができます。
空調服とは、小型のファンを搭載している服のことです。
ファンが作動している間は服の中で空気が循環するので、涼しく快適に過ごせます。
服にファンが付属しているため、倉庫の外でも快適に作業可能です。
屋外の作業でも労働者の暑さを和らげるために、企業側が空調服を支給できないか検討してみましょう。
空調服以外にも、下記のような暑さ対策グッズがあります。
・ネッククーラー
・ボディシート
・クールタオル
労働者が使いやすいものを選択して利用できるよう、さまざまな暑さ対策グッズを用意しておくと満足感がアップしやすいです。
暑さ対策グッズを上手に活用して、暑さを和らげる環境を整えましょう。
おもな労働者用暑さ対策グッズは以下のとおりです。
・ネッククーラー
・ボディシート
・クールタオル
・コンプレッションウェア
・ヘルメットインナー
これらの対策グッズを使用することで、熱中症のリスク低下や汗などの不快感抑制に役立ちます。
ネッククーラーは首周りに装着し、直接首すじを冷やすグッズです。
首に引っ掛ける形で装着でき、両手をふさがないので、作業中にも使用できます。
首周りには太い血管が通っているため、効率よく体温を下げられるのが魅力です。
ネッククーラーには冷却プレートを搭載した電動タイプと、保冷剤などを使ったタオルタイプ、バンドタイプがあります。
どちらも充電が切れたり保冷剤の効果がなくなったりすると、首すじを冷やせなくなるので、注意が必要です。
長時間使用する場合は、定期的な充電や保冷剤の交換などが必要となります。
ボディシートは体の汗を拭くことで、手軽に清涼感や消臭効果を得られるグッズです。
汗をかいたときに使用することで、素早く汗のベタつきやにおいなどの不快感を取り除くことができます。
ボディシートは、コンビニやドラッグストアで販売しているので、手軽に手に入れられます。
ただし、あくまで簡易的に清涼感を得られるだけで、長時間の冷却効果があるわけではないのが注意点です。
暑さ対策をするならボディシートだけでなく、他の対策グッズと併用することをおすすめします。
クールタオルは、冷感機能素材を使用したタオルのことです。
水に浸して余分な水分を絞って振ると、ひんやりとした冷感を得られます。
保冷剤などを使う必要がなく、一度タオルを濡らすと冷え感が一定時間持続します。
洗濯すると繰り返し使用できるため、経済的である点もメリットです。
ただし、何時間も冷却効果が持続するわけではありません。
長時間作業する場合は、ネッククーラーの使用がおすすめです。
コンプレッションウェアは、スポーツ選手などが使用するアンダーウェアのことです。
夏用のコンプレッションウェアは接触冷感素材やメッシュ素材などを使用した物が多く、吸水速乾性が高いことが特徴です。
汗をかいてもウェアが吸収してすぐに蒸発するので、汗によるベタつきを抑えられます。
汗が蒸発するときの気化熱を利用することで、涼しさを感じられるのもメリットです。
ただしコンプレッションウェアは体にぴたっと密着するので、サイズを間違えないようにご注意ください。
ウェアで体を締め付けすぎると、血行不良が起きる危険があります。
物流倉庫内でヘルメットを着用する場合は、ヘルメットインナーも効果があります。
ヘルメットインナーとは、ヘルメットの内に被る頭部用のインナーのことです。
夏用のヘルメットインナーには吸水速乾性に優れたものが多くそろっています。
汗を吸い取ったりヘルメットの湿気を逃して蒸れを防いだりしてくれるため、不快感を軽減できます。
ヘルメット内の汚れも防止できるので、まだ使用していない方は、一度試してみるのがおすすめです。
物流倉庫の暑さ対策が必要な理由を2つ紹介します。
・労働者が体調不良や熱中症になる可能性がある
・製品の温度管理ができなくなる可能性がある
・作業効率が低下する可能性がある
・離職率が上昇するおそれがある
労働者の体調が悪くなるなどの状態が続くと、企業全体の安全管理体制が問題視されるかもしれません。
詳しく解説します。
物流倉庫の暑さ対策を十分に実施せずにいると、労働者が体調不良や熱中症になるリスクがあります。
高温多湿な環境に長時間いると、体温調節機能がうまく働かなくなります。
体内に熱がこもった状態が続くと、体調不良や熱中症になってしまいかねません。
物流倉庫に限らず、職場での熱中症が発生しないように厚生労働省も注意を呼びかけています。
厚生労働省は2023年2月、職場での熱中症で毎年約20人が亡くなり、約600人が4日以上仕事を休んでいると発表しています。
暑い物流倉庫では、体調不良や熱中症にならないよう対策が必要です。
物流倉庫で保管する製品は、温度管理が必要なものがあります。
工場内の製品を最適な状態で保管するためには暑さ対策が欠かせません。
温度管理が必要とされていないものでも、高温によって変形や不具合につながる可能性もあります。
たとえばプラスチック製品の保管をしていた場合、高温のため製品が変形してしまうと販売できなくなるかもしれません。
預かっている製品や商品を適切な状態で保管する必要があるため、物流倉庫では適切な温度管理が大切です。
高温の環境下での労働は、従業員の作業効率を下げてしまいます。
物流倉庫での労働は体を動かす作業が大半です。
高温の環境下では大量の汗をかくことになるので、不快感が増してしまいます。
疲労も感じやすくなるので集中力が下がり、作業効率が低下するのは避けられません。
大量に汗をかくと着替えも必要になり、その分も作業効率の低下につながってしまいます。
夏でも快適に働ける環境を整えることで、生産性の維持や向上が期待できます。
物流倉庫内の暑さは、離職率上昇につながるおそれがあります。
労働環境は、従業員が働くうえで重要なポイントです。
自分が働く物流倉庫内が非常に暑い環境であれば、健康被害の心配をするのは自然なことです。
暑い環境下での長時間労働は作業効率だけでなく、労働意欲の低下にもつながり、離職するリスクを高めます。
離職率が高い職場は、新しい人材の採用も難しくなる点にも注意が必要です。
物流倉庫の暑さ対策を行い、働きやすい環境を整えることで、離職率を抑えて定着率を上昇させることができます。
本記事では物流倉庫の暑さ対策について紹介しました。
物流倉庫の暑さ対策は、建物に対する対策と労働者が行う対策の2種類あります。
年々気温が上昇している中、2種類の対策のどちらもやっていかなければ暑さを乗り越えることは難しいでしょう。
空調設備や空調効率を見直したり、本記事で紹介した遮熱シートを屋根に設置したりするのを検討してみましょう。
特に物流倉庫内の室温を下げるには、本記事で紹介した遮熱シート「サーモバリア」を屋根に設置するのがおすすめです。
クールルーフ.jpでは工場屋根の暑さ対策についての相談を受け付けています。
工場屋根の修理・リフォームはもちろん屋根の遮熱をお考えの方は、ぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。