
今回は、遮熱塗装がなぜ“効かない”ことがあるのか、
そして今、全国で注目されている“次の遮熱工法”について、現場の職人の立場からお話しします。

サーモバリアの上なら真夏でも裸足で歩けます
こんにちは。
ウチノ板金の内野です。
毎年、夏が近づくと必ず増えるご相談があります。
それが――
「遮熱塗装をしたのに、全然涼しくならなかった」という声です。
屋根の塗り替えをしたのに、工場の中が暑いまま。
「高いお金を払ったのに、ほとんど変わらない」と感じている方は少なくありません。
目次

サーモバリアスカイを貼る前と後
遮熱塗装は、屋根の表面で太陽光を反射させて温度上昇を抑える技術です。
理論的には間違っていません。確かに、屋根の表面温度はある程度下がります。
ですが――
「表面温度が下がること」と「室内が涼しくなること」は別の話」なんです。
屋根は、太陽光を受けるとその熱が金属・下地・天井へと伝わり、
最後は“輻射熱(ふくしゃねつ)”として室内に放出されます。
遮熱塗装はこの“輻射熱”を止める力が弱い。
つまり、屋根の上は涼しくなっても、下にいる人は暑いまま、ということが起きます。

労働環境を良くして、職人さんが働きやすくしたい!!
例えば、昨年施工した埼玉県の工場では、
「3年前に遮熱塗装をしたのに、夏場は相変わらず40℃超え」という相談がありました。
現場で測ると――
屋根表面温度は確かに低めでしたが、
天井裏の鉄骨は約60℃を超えていました。
表面で熱を反射しても、屋根全体が蓄熱してしまうと、
その熱がゆっくりと室内に伝わってくる。
つまり、塗装は「焼け石に水」状態になってしまうケースが多いんです。

今年(2025年6月)から、労働安全衛生規則の改正により、
職場の熱中症対策が義務化されます。
「涼しくする努力をしたつもり」で終われた時代は終わりです。
実際に“体感温度が下がる”こと、“作業環境が改善される”ことが求められています。
だからこそ今、全国で注目されているのが――
サーモバリアを使った“遮る”タイプの遮熱工法です。

サーモバリアは、屋根の内側にアルミ層を施工し、
輻射熱そのものを遮断する工法です。
塗るのではなく、遮る。
この違いが、実際の体感温度に大きな差を生みます。
アルミは、赤外線(熱線)を約97%反射。
つまり、「屋根の熱が室内に伝わらない」構造になります。
さらに、塗膜のように劣化しないため、
10年以上の長期性能を維持できます。
※サーモバリアスカイ工法は今年で実績10年目を迎えました。
屋根を塗り替えるたびにコストが発生する遮熱塗装とは違い、
一度施工すれば長期で省エネ効果が続くのも大きな特徴です。
| 比較項目 | 遮熱塗装 | サーモバリア(遮熱シート) |
|---|---|---|
| 仕組み | 太陽光を反射して表面温度を下げる | 輻射熱そのものを遮断 |
| 効果の持続 | 3〜5年程度(塗膜劣化) | 10年以上(アルミ層劣化しにくい) |
| 室内温度低下 | 小 | 大(体感3〜5℃差) |
| メンテナンス | 再塗装が必要 | 10年以降に張り替え |
| コスト感 | 安く見えるが再施工あり | 初期費用高めだが長期で安い |

今年、埼玉県の倉庫で実施した温度比較テストでは、
遮熱塗装施工屋根:天井裏温度 約55℃
サーモバリア施工屋根:天井裏温度 約37℃
差は18℃。
室内温度で体感差が3〜4℃ありました。
現場で働く社員さんの言葉がすべてです。
「朝、工場に入った瞬間の温度が違うので、びっくりした」
「冷房の効きが早くなった」
「もっと早く会社が導入してくれたら助かったのに・・・」
数字も体感も、はっきりとした違いが出ています。
遮熱塗装がダメ、という話ではありません。
屋根の状態・立地・使用環境によっては有効なケースもあります。
ただ、「反射」と「遮断」では目的が違うということ。
工場や倉庫のような大空間では、輻射熱の影響が圧倒的に大きいため、
塗装では十分な体感温度の改善が難しいのが現実です。

これからの時代は、数字よりも実感です。
社員が働きやすい職場を作る。
倉庫の保管環境を守る。
オーナーの資産価値を長く維持する。
それを叶えるのが、“遮熱塗装”ではなく“遮熱工法”。
サーモバリアは、その次のスタンダードになりつつあります。
もし「塗ったけど変わらない」と感じている方がいれば、
一度、屋根の温度を“測って”みてください。
その結果が、きっとすべてを教えてくれます。