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工場の暑さ対策で補助金は申請できる?手順やおすすめの対策を紹介

2023.04.05 Wed

「工場の中が暑くて、従業員の体調が心配」
「暑さのせいで作業効率が落ちているのが気になる」

工場の暑さをそのままにしておくと、熱中症による健康被害や業務効率の低下につながる可能性があります。

本記事では工場の暑さ対策を検討している方に向けて、設備投資を行う際に申請できる補助金や申請方法について紹介しています。

工場内の暑さ対策が必要な理由なども解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

工場の暑さ対策で補助金をもらえる可能性がある

工場内の暑さ対策には補助金がもらえる可能性があります。

補助金は都道府県や市町村などの地方自治体が独自に実施しています。

定められた募集期間内に申請を行うケースが多く、予算上限に達したり期限を迎えたりすると申請が締め切られることがほとんどです。

工場の暑さ対策のための設備投資を行う際は、早めに地方自治体の補助金の募集内容を確認しましょう。

工場の暑さ対策でもらえる補助金

工場の暑さ対策を実施する場合、補助金を適用できる可能性があります。

たとえば屋根に遮熱シートを張る工事では、カーボンニュートラル・工場就労環境改善・働き方改革に関する補助金を使って、暑さ対策の設備投資を行った会社がありました。

内容によっては、事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金も対象となる可能性があります。

検討している暑さ対策が補助金の対象になるかどうか、国・都道府県・市町村の補助金を調べてみましょう。

2024年(令和6年)工場の暑さ対策で活用できる補助金制度

実際に2024年度に利用できる補助金制度を紹介します。

ただし2024年10月現在、今年度の募集を終了している事業も多いです。

2025年度(令和7年度)も引き続き利用できる可能性が高い事業を中心に紹介していきます。

工場の暑さ対策で活用できる補助金制度は、以下のとおりです。

・エイジフレンドリー補助金
・工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)
・各自治体による補助金制度

それぞれ制度の概要を確認していきましょう。

エイジフレンドリー補助金

エイジフレンドリー補助金は、⾼齢者を含む労働者の労働環境をよくすることを目的とした、厚生労働省による補助金制度です。

対象となる事業者は以下のとおりです。

・1年以上事業を継続している労災保険に加入している中小企業事業者
・60歳以上の労働者を常時1名以上雇用している
・ 対象の60歳以上の労働者が補助対象に係る業務に就いている

補助対象となる取り組みのうち「暑熱な環境による労働災害防止対策」が工場の暑さ対策に該当します。

ただしエイジフレンドリー補助金は、令和6年度の申請については令和6年10月1日(火)にすでに終了しています。

しかし厚生労働省では令和7年度の予算にエイジフレンドリー補助金を組み込んでいるため、来年も同様の補助金制度が利用できる予定です。

制度の詳細については、厚生労働省がホームページで公開している「エイジフレンドリー補助金」をご確認ください。

工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)

SHIFT事業は、カーボンニュートラル実現に向けて、工場などでの脱炭素化やCO2排出削減に取り組む事業者の拡大を目的とした環境省による補助金制度です。

令和5年度または直近3年間の年間CO2排出量平均値が50t以上3000t未満の事業所が対象となります。

工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業では、事業完了後3年間CO2削減実績報告書を毎年度提出することが必須条件となっています。

CO2削減目標が未達成となった場合は、他の取り組みが必要となるため、目標設定には注意が必要です。

令和6年度SHIFT事業の四次公募は令和6年10月15日(火)で締め切りとなっています。

しかし環境省では令和7年度の予算にSHIFT事業を組み込んでいるため、来年も同様の補助金制度が利用できる予定です。

制度の詳細については、SHIFT事業のホームページをご確認ください。

各自治体による補助金制度

工場の暑さ対策では、国の補助金制度のほかに自治体独自の補助金制度が利用できる場合もあります。

例えば東京都の工場では「中小規模事業所のゼロエミッションビル化支援事業」を活用できる可能性があります。

中小規模事業所のゼロエミッションビル化支援事業は、令和6年度~令和10年度まで事業実施予定です。

ただし助成金の申請は令和6年3月31日までとなっているため、制度を活用したい場合は今年度中の申請が必要となります。

各自治体の補助金制度は、都道府県だけではなく市区町村で行っている場合もあります。

暑さ対策を検討している事業者は、活用できそうな制度がないかを確認してみるとよいでしょう。

補助金の対象となる可能性がある工場の暑さ対策

補助金の対象となる可能性がある工場の暑さ対策は、以下のとおりです。

・遮熱シートの設置
・エアコンの導入
・屋根スプリンクラーの設置
・熱中症予防グッズの購入

補助金を活用して、快適な作業環境を整えましょう。

遮熱シートの設置

暑さ対策を検討している方におすすめなのが、遮熱シートの設置工事です。

遮熱シートを屋根に設置することで、太陽光を反射させて、太陽からの熱(輻射熱)が室内に届きにくくなります。

さらに遮熱シートにより太陽光を遮ることで、空調効率が向上し光熱費の削減につながります。

エアコンや屋根スプリンクラーなどと異なり、導入後は水道光熱費がかからない点が大きなメリットです。

遮熱シートを設置する場合、「カーボンニュートラル・工場就労環境改善・働き方改革に関する補助金」を適用できる可能性があります。

もし遮熱シートの設置を検討している場合は、上記の補助金が適用できないか検討してみましょう。

自治体に問い合わせたり地元の業者に相談したりすることをおすすめします。

エアコンの導入

作業環境を改善するには、工場の室内温度を効率的に下げられる大型の業務用エアコンの導入が効果的です。

ただし面積が広く天井が高い工場の場合、エアコンを稼働しても思うような効果が得られない可能性があります。

広い工場では、大型扇風機と併用し空気を循環させたり、間仕切りカーテンを活用して空調効率を高めたりといった工夫が必要です。

工場の一部の空間のみ冷やしたい場合は、スポットクーラーの導入が適しています。

屋根スプリンクラーの設置

屋根スプリンクラーとは、屋根に散水する機械のことです。

屋根に水を撒くことで、気化熱を利用して屋根温度の上昇を抑制できます。

ソーラーパネルを設置している場合は、パネルを冷却できるため発電効率を保つことが可能です。

ただし、屋根の素材によってはサビる可能性があります。

設置する際は屋根材との相性を確認したうえで設置を検討したほうがよいでしょう。

熱中症予防グッズの購入

熱中症予防グッズの購入も、補助金の対象となる可能性があります。

保冷剤を入れられるベストや空調服などは、工場の暑さ対策に有効的です。

工場では安全性が重視されるため、夏場でも長袖長ズボンを着用するケースが多く、服装のせいで暑さが厳しく感じる場合もあります。

長袖長ズボンを着用している工場では、服装を見直すことで、従業員1人1人の働きやすさが向上する可能性が高いです。

冷房設備などよりも安価に導入できるため、多くの企業で検討しやすい方法といえるでしょう。

補助金の申請方法と手順

補助金の申請方法と手順について解説します。

・補助金の適用について確認、相談をする
・補助金の申請可否が出たら工事契約を行う
・完了報告を提出する

補助金は国や都道府県、市町村が独自に実施しているため、申請方法や手順が地方自治体によって異なる可能性があります。

今回は東京都葛飾区が実施する「事業所用かつしかエコ助成金」を参考に具体例を紹介します。

補助金の適用について確認、相談をする

工場や事業所のある地域で、対象となる補助金があるか確認をしましょう。

ネット検索をしたり、工事を依頼する業者に相談をしたりする方法で確認できます。

補助金には申請期限や交付に関する要件があるので、申請前にチェックしておきましょう。

補助金の申請可否が出たら工事契約を行う

条件に合致する補助金があったら、さっそく申請をおこないます。

「事業所用かつしかエコ助成金」では、申請内容にもよりますが、協議書、見積書、図面、カタログ等、施工前写真、納税証明書などの用意が必要です。

見積書や図面などは、業者に相談して必要書類を用意してもらいましょう。

ただし工事契約は補助金がもらえると決まってから結びましょう。

申請可否が分かる前に着工すると、補助金がもらえない可能性があります。

完了報告を提出する

工事が完了したら、自治体に完了報告を行います。

その後、補助金が振り込まれるという流れです。

「事業者用かつしかエコ助成金」では、工事完了後2ヶ月以内に完了報告を提出する必要があります。

その後、助成金交付額確定通知書送付まで3〜4週間、助成金振り込みまで2~6か月程度要します。

主な工場の暑さ対策

工場の暑さ対策として従業員におすすめしたい行動や、快適に過ごせる便利アイテムを紹介します。

すぐ取り入れられるアイデアもあるので、業務効率化のために検討してみてください。

・こまめに水分補給や塩分補給を行う
・空調服を着用する
・空調や屋根用スプリンクラーを導入する

下記では、それぞれの対応や便利アイテムについて具体的に解説します。

こまめに水分補給・塩分補給を行う

工場が暑いときは、意識して水分補給・塩分補給を行うことが大事です。

暑さで汗がでるときは、水分と同時に塩分やミネラルも失われているからです。

喉が渇いたと自覚する前にスポーツドリンクを飲んだり、水と一緒に塩飴を舐めたりすると熱中症予防にもつながります。

電動ファン付きの作業服を着用する

空調が行き届かない場所や屋外の作業にも重宝するのが、電動ファン付きの作業服です。

あらかじめ服に取り付けられた小型のファンが外気を取り込み、汗を蒸発させて体を冷やしてくれるので快適に過ごせます。

小型のファンはバッテリーで動くので、電源のない場所でも使えます。

空調や屋根用スプリンクラーを導入する

工場の内部を涼しくするには、空調設備の導入をおすすめします。

自動空調システムやスポット空調、大型扇風機、サーキュレーターなど様々な種類があるので、暑さの程度や設置場所の大きさに合わせて検討が必要です。

空調は電気代などのコストがかかりますが、暑さ対策として有効です。

夏場など外からの熱が気になるときは、屋根に散水して温度を下げる、屋根用スプリンクラーも活躍します。

工場の暑さ対策で補助金を申請する際に知っておくべきこと

工場の暑さ対策で補助金を活用する場合に知っておいた方がよいことは、以下のとおりです。

・補助金の多くは後払い
・申請には時間と手間がかかる
・条件と申請期間をしっかりと把握する
・適切に事務処理を行う

工場の暑さ対策で後悔しないよう、補助金についての注意事項を確認していきましょう。

補助金の多くは後払い

国や自治体からの補助金は、後払い制になっているケースがほとんどです。

例えば設備導入費が100万円で費用の2分の1補助金が出る場合でも、設備導入時は100万円の用意が必要となります。

補助金を前提に設備を導入してしまうと、途中で資金不足になってしまうリスクが高いです。

補助金は工場の暑さ対策において設備を導入しやすくする制度ではありますが、後払いであることを念頭に置く必要があります。

申請には時間と手間がかかる

補助金を申請する際に必要となる申請書は、計画書や予算書などが必要となる場合があります。

用意する書類や書き込む内容は、専門的な知識がないと難しく感じる場合もあります。

可能であれば補助金の申請は、申請した経験がある人に手伝ってもらうのがおすすめです。

身近に申請した経験がある人がいない場合は、申請先に確認しながら準備を進めなくてはいけない可能性があります。

さらに補助金を申請してから支給されるまでは時間がかかり、半年~1年ほどの期間がかかるケースも多いです。

条件と申請期間をしっかりと把握する

工場の暑さ対策で利用できる補助金制度は、工事内容や申請期間など条件が詳細に定められています。

工事内容が条件に当てはまっていない場合や申請期間が過ぎてしまった場合は、補助金制度を利用できません。

交付決定前に工事を開始してしまうと補助金が受け取れない可能性もあります。

補助金を活用する場合は、利用条件や申請期間を正確に把握することが大切です。

適切に事務処理を行う

補助金制度は、適切に手続きや書類提出などを行わないと交付を取り消される恐れがあります。

工場の暑さ対策で利用できる補助金のなかには、事業期間終了後に報告書や工事の領収書などの提出が必要となる場合があります。

必要な書類を提出しなかったり事実と異なる報告をしたりすると、交付決定後に支払いが拒否される可能性が高いです。

交付が決まって安心するのではなく、利用条件に沿った事務処理が必須です。

工場の室内が暑くなりやすい理由

工場は他の建物と比較しても室内温度が上昇しやすいため、暑さ対策が重要視されています。

工場の室内が暑くなりやすい理由は、以下のとおりです。

・工場の建物構造的に外気の影響を受けやすいから
・機械から熱が発せられるから

1つずつ確認していきましょう。

工場の建物構造的に外気の影響を受けやすいから

工場の外壁や屋根は、薄い金属製の素材を使用していることが多いため、輻射熱の影響を受けやすいです。

輻射熱は体感温度を上昇させるため、従業員は室温以上に暑く感じてしまいます。

さらに金属製の屋根は熱が伝わりやすいため、太陽光で温められた屋根の熱が室内温度を上昇させます。

工場は一般的な建物よりも構造的に外気の影響を受けやすいため、暑さ対策が必須です。

機械から熱が発せられるから

工場では機械から熱が発せられることで、室内温度が上昇しているところも多いです。

機械が稼働することにより、機械本体から輻射熱が発せられる場合は、季節にかかわらず工場内が暑くなっている場合もあります。

そのため機械の近くで作業をしている従業員は、熱中症をはじめとする体調不良のリスクが高まります。

機械からの熱量によっては、機械本体への暑さ対策も忘れてはいけません。

工場の暑さ対策が必要な理由

工場の暑さ対策が必要な理由は下記のとおりです。

・工場が暑いと作業効率が低下してしまう
・暑さによって従業員に健康被害が及ぶ可能性がある

暑さ対策が不十分だと業務効率に影響がでたり、従業員が体調を崩したりするなど、会社の損失につながる事態が懸念されます。

事故発生など労災事故につながる危険性も無視できません。

工場で暑さ対策を実施する必要性について詳しく見てみましょう。

工場が暑いと作業効率が低下してしまう

人間の体は暑さによって体力を余分に消耗してしまいます。

暑いと多量の汗をかき、水分だけではなく塩分やミネラルなど体の調子を整えるための栄養素も排出されてしまいがちです。

また体力を消耗すると集中力も低下するため、作業効率が悪くなる恐れがあります。

通常であれば難なく行える業務が、暑さによってケアレスミスが発生する可能性もあるのです。

工場の暑さ対策は、業務効率化という観点からも重要です。

暑さによって従業員に健康被害が及ぶ可能性がある

従業員が暑さによって体調を崩したり作業中に倒れたりすると、労災事故につながる恐れがあります。

よく心配されるのが熱中症です。

熱中症は頭痛やめまい、吐き気、立ちくらみなどの症状が現れるほか、重度のものだと後遺症が残る危険性もあります。

ほかにも、暑さによって脱水症状や食欲不振を引き起こし、疲れやすくなったり、全身がだるくなったりするなど、夏バテのような症状が発生することもあります。

工場の暑さ対策を行い快適に

工場の暑さ対策は従業員の健康のため、業務効率向上のために必要です。

高額な設備投資は難しいという方は、工場の暑さ対策で申請できる補助金を検討してみてください。

補助金は地方自治体によって異なるので、交付条件や申請期間などをインターネットで確認したり直接問い合わせたりすることが重要です。

また地元の業者に相談して、工場の暑さ対策で適用できる補助金がないか質問してみるのもおすすめです。

補助金の申請と合わせて、ぜひご検討ください。

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この記事は「内野 友和」が
書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。
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