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スレート屋根に貼る遮熱シートの効果は?メリットと注意点を解説

2026.09.05 Sat
この記事は「内野 友和」が
書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。25年以上、約10,000件の現場経験で培った技術と知識をもとに、屋根・雨樋・板金・外壁工事に携わる。建築家・隈研吾氏が関わるカフェ「和國商店」のプロデュース(グッドデザイン賞等受賞)、海外での活動なども行う。また、全国の屋根屋50社以上と共にボランティア活動を行い、屋根の展示イベント「屋根展」を主宰している。

工場のスレート屋根からの熱気で室内が暑くなり、従業員の熱中症リスクや作業効率の低下に悩んでいるご担当者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、屋根に遮熱シートを貼ることで本当に効果があるのか、不安に感じている方もいるでしょう。

遮熱シートは太陽からの輻射熱を反射するため、薄くて熱を通しやすいスレート屋根の暑さ対策に有効です。

労働環境を改善できるだけでなく、空調効率が向上し電気代の節約にもつながります。

本記事では、スレート屋根に遮熱シートを貼るメリットや注意点を解説します。

遮熱シートの具体的な費用相場や施工方法も紹介しているので、参考にしてください。

スレート屋根に遮熱シートを貼るメリットは?

スレート屋根に遮熱シートを導入することで得られるメリットは以下のとおりです。

・暑さと寒さ対策ができる
・電気代の節約につながる
・従業員の作業効率が上がる

それぞれの効果について詳しく解説します。

暑さと寒さ対策ができる

スレート屋根に遮熱シートを施工するメリットは、1年を通して快適な温度環境を維持できる点です。

遮熱シートは太陽からの輻射熱を反射する特殊なアルミ材で作られています。

夏の強い日差しを受けて高温になった屋根からの熱をブロックし、室温の上昇を抑制できます。

さらに、冬場に室内の暖まった空気が外へ逃げるのも防止でき、夏は涼しく冬は暖かい空間を実現できるのが魅力です。

季節を問わず働きやすい環境を整えられます。

電気代の節約につながる

遮熱シートは高騰する電気代の節約につながります。

屋根からの熱侵入を防ぐことで、空調設備への負荷を大きく軽減できるからです。

工場など広い空間の場合、エアコンをフル稼働させると膨大な電力を消費します。

遮熱シートを貼ればエアコンの設定温度を無理に下げなくても、十分な涼しさを維持できます。

初期費用はかかるものの毎月の空調費が下がるため、長期的に見れば費用対効果が高い対策です。

近年では、エネルギー価格が高騰していることもあり、コストカットの有効な施策として導入を検討している企業も増えています。

無駄な電力消費を抑えることは経費削減だけでなく、企業の環境対策やSDGsへの貢献にもつながります。

従業員の作業効率が上がる

遮熱シートで過酷な暑さを和らげることは、従業員の作業効率向上に効果的です。

労働環境の改善により体力的・精神的な負担が減れば集中力を保てます。

とくに、夏場は室温が高くなりすぎると熱中症リスクが高まります。

作業スピードの低下のほか、従業員の健康に被害に及ぶ可能性があり危険です。

遮熱シートによって体感温度が下がれば、快適に作業できるため生産性の低下を防止できます。

安全配慮義務の観点からも、従業員の健康を守ることは企業の重要な責任です。

スレート屋根に遮熱シートを貼る際の注意点は?

スレート屋根に遮熱シートを貼る前に知っておくべき注意点を紹介します。

・対流熱と伝導熱は防げない
・既存の雨漏りは修繕できない
・DIYでの施工はおすすめできない

導入後のトラブルを防ぐためにも理解しておきましょう。

対流熱と伝導熱は防げない

遮熱シートは万能ではなく、対流熱や伝導熱を防ぐ効果はありません。

太陽から直接届く輻射熱を反射することに特化しています。

熱の伝わり方には輻射熱のほか、空気を介して伝わる対流熱や、物質によって熱が運ばれる伝導熱があります。

遮熱シートは輻射熱を反射できるものの、ほかの熱移動は止められません。

断熱材などの対策と組み合わせて、工場全体の暑さ対策を検討することが大切です。

既存の雨漏りは修繕できない

遮熱シートを貼るだけでは、すでに発生している雨漏りの根本的な解決になりません。

シート自体に防水性はあるものの、劣化したスレート屋根のひび割れや隙間をふさぐものではないからです。

雨漏りが発生している場合、下地の腐食や防水シートの劣化が進行しているケースがほとんどです。

遮熱シートの施工前に専門業者による点検を受け、屋根の補修やカバー工法などを実施する必要があります。

DIYでの施工はおすすめできない

スレート屋根への遮熱シート施工をDIYで行うのは、危険かつ失敗のリスクが高いためおすすめできません。

高所での作業が必須となり、転落事故などにつながるおそれがあります。

さらに、シートを隙間なく正確に貼り合わせるには熟練の技術が必要です。

万が一、作業中に屋根を破損させてしまうと、遮熱シートの設置費用だけではなく、本来なら不要だった修理費用がかかります。

施工不良があると十分な遮熱効果を発揮できません。

信頼できる業者に依頼することで、安全で確実な仕上がりになります。

スレート屋根の工場が暑くなりやすい原因は?

工場のスレート屋根が夏場に暑くなりやすい主な原因は以下のとおりです。

・スレート材は薄く熱を通しやすいから
・太陽からの輻射熱を吸収し工場内に放射されるから
・経年劣化で屋根の保護機能が落ちているから

それぞれ詳しく解説します。

スレート材は薄く熱を通しやすい

スレート屋根が熱くなりやすいのは素材自体が薄いからです。

セメントを主成分とするスレート材は軽量で施工しやすい反面、断熱性能に劣るのがデメリットです。

厚みが数ミリ程度しかないため、表面が受けた太陽の熱がすぐに裏側へと伝わってしまいます。

真夏の直射日光を浴びると屋根自体の温度が急激に上昇し、その熱の侵入により工場内が暑くなります。

太陽からの輻射熱を吸収し工場内に放射されるから

工場内が暑くなるのは、スレート屋根が吸収した太陽の熱が、輻射熱として室内へ放射されることが原因のひとつです。

太陽光のエネルギーは屋根の表面で熱に変わり、屋根材そのものを高温にします。

高温になった屋根から比較的涼しい室内へ向かって熱が放出され、熱をもった屋根全体が工場内を温めることで暑くなってしまいます。

経年劣化で屋根の保護機能が落ちているから

長年の使用による経年劣化も、屋根が熱を通しやすくなる原因です。

紫外線や雨風にさらされることで表面の塗装が剥がれ、防水性や遮熱性が失われてしまいます。

過去に遮熱効果のある塗料が塗られていたとしても、耐用年数を過ぎると塗膜は劣化します。

屋根の表面に色褪せやカビ、コケの発生が見られる場合は、すでにコーティングの保護機能が低下しているサインです。

保護機能が落ちたスレート屋根は熱を溜め込みやすくなるため、定期的なメンテナンスが必要です。

遮熱シートを設置する際の費用相場と工期は?

遮熱シートの費用は現場環境や屋根の構造や数量によって変化します。

足場代も必要になるため、詳しい金額は見積もりを依頼してください。

工期は屋根の大きさや状態によります。

・50平方メートルの屋根:約4日
・100平方メートル:約6日
・500平方メートル:約20日

施工の際には工場の稼働を止めなければいけないケースもあるため、専門業者への相談が必要です。

スレート屋根に遮熱シートを貼る方法は?

スレート屋根の下にサーモバリアを取り付ける方法は次のとおりです。

・高所作業車が入れるスペースを確保する
・屋根の長さを測量する
・サーモバリアを貼り付ける

室内側から施工する場合は、カットしたシートをスレート屋根下の母屋に向け、タッピングビスで固定します。

ジョイント部分は専用のガラスクロスアルミテープで隙間なく貼り合わせます。

遮熱シートの場合、塗装工事に必要な乾燥時間の工程はありません。

塗料の乾燥不足や塗りムラなどの心配がないのが特徴です。

スレート屋根へ遮熱シートを設置し快適な環境づくりをしよう

スレート屋根に遮熱シートを施工すると、暑さだけでなく寒さ対策にもなり、1年中快適な環境を維持できます。

室温が一定に保たれるため、エアコンをフル稼働させなくて済み、毎月の電気代の節約につながります。

従業員の作業効率向上や熱中症対策としても有効です。

工場の過酷な暑さを根本から解決するためにも、スレート屋根への遮熱シート導入が効果的といえます。

屋根の施工は高所作業や専門技術が必要なため、DIYでの施工はおすすめできません。

遮熱シートの施工実績のある専門業者へ依頼してください。

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