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工場の省エネは何から始める?手軽な手法と遮熱工事のメリットを解説

2026.07.03 Fri
この記事は「内野 友和」が
書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。25年以上、約10,000件の現場経験で培った技術と知識をもとに、屋根・雨樋・板金・外壁工事に携わる。建築家・隈研吾氏が関わるカフェ「和國商店」のプロデュース(グッドデザイン賞等受賞)、海外での活動なども行う。また、全国の屋根屋50社以上と共にボランティア活動を行い、屋根の展示イベント「屋根展」を主宰している。

毎月請求される高額な電気代に加え、脱炭素化やSDGsへの対応も求められ「工場の省エネ対策を急がなければ」と悩む経営者やご担当者の方も少なくありません。

しかし、何から始めればよいのか、大がかりな設備投資が必要なのかと不安に感じる方もいるでしょう。

工場の省エネは手軽な運用改善から始められ、建物の遮熱工事を行えば冷房効率を向上でき、CO2排出量と電気代を同時に削減できます。

本記事では、手軽に実践できる対策から費用対効果が高く、労働環境の改善にもつながる遮熱工事のメリットまで詳しく解説します。

自社に合った省エネ対策方法を知りたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

手軽にできる工場の省エネ対策

費用をかけずに今すぐ実践できる工場の省エネ対策を紹介します。

・不要な照明を消す
・空調や冷蔵、冷凍設備の温度設定を見直す
・コンプレッサ周辺のエアー漏れを定期点検する

従業員が日々の業務の中で省エネ意識をもつことが大切です。

不要な照明を消す

昼休みや作業をしていないエリアの不要な照明はこまめに消灯しましょう。

基本的な省エネ対策として効果的で、すぐに実践できる手軽さがメリットです。

エリアごとに責任者を配置し、休憩時間や退勤時の消灯チェックをマニュアル化する方法もあります。

費用を一切かけず、従業員全員が節電の意識をもつだけで、大きな省エネ効果が期待できます。

空調や冷蔵・冷凍設備の温度設定を見直す

工場内の空調と冷蔵設備の温度設定を、季節や内容物に合わせて最適化します。

過度な冷やしすぎや暖めすぎを防ぐことで、設備の負荷を減らせます。

空調や冷蔵設備は、作業環境に支障が出ない範囲で調整を行うことが大切です。

食品工場などの冷凍庫も、外気温や保管量に応じて設定温度をこまめに変更し、無駄な電力消費を抑えると省エネ効果が期待できます。

設定温度をたった1度緩和するだけでも、消費電力の削減につながるため定期的な見直しがおすすめです。

コンプレッサ周辺のエアー漏れを定期点検する

工場内で大きな電力を消費するコンプレッサの配管や、エアー漏れを定期的に点検しましょう。

配管からエアーが漏れていると、圧力を維持するためにコンプレッサが余分に稼働し続けてしまいます。

機器の腐食や老朽化、ホース・配管の継手部分の緩みはエアー漏れの原因になります。

機械が稼働していないタイミングでエアー漏れの音がないか聞いたり、手をかざしたりして確認することが大切です。

設備導入による工場の省エネ対策

新たな設備を導入し、長期的な視点で電力消費を抑える方法を紹介します。

・老朽化した設備を高効率機器にする
・太陽光発電システムを導入する

初期費用はかかりますが、根本的な省エネとコスト削減が期待できるため詳しく解説します。

老朽化した設備を高効率機器にする

下記のような老朽化した設備を最新機器に更新する方法があります。

・空調設備
・ボイラ
・コンプレッサ
・受変電設備 など

老朽化した設備はエネルギー効率が悪く、多くの電力を浪費している可能性があります。

たとえば、必要なときだけ稼働するインバータ制御が搭載された最新機器に入れ替えれば、無駄な電力をカットできます。

初期投資の負担はあるものの、ランニングコストを大幅に削減できるため、計画的に設備更新を検討するのがおすすめです。

太陽光発電システムを導入する

工場の屋根や空きスペースを活用し、太陽光発電システムを導入するのもひとつの方法です。

自社でつくった電力を工場内で消費できれば、電力会社から購入する電力量を直接的に減らせます。

工場は屋根面積が広く、太陽光パネルを多数設置しやすい環境が整っています。

初期費用ゼロで導入できるPPAモデルを活用すれば、コスト負担を抑えつつ電気代の節約が可能です。

環境への配慮につながるのはもちろん、非常時の電源確保にもつながる点がメリットです。

遮熱工事で工場の省エネ対策を行う方法

工場の外部から、熱の侵入を防ぐ遮熱工事を行う方法があります。

・遮熱塗装を行う
・遮熱シートを貼る

設備更新よりも手軽に空調効率を上げられるため参考にしてください。

遮熱塗装を行う

工場の屋根や外壁に、太陽光の熱を反射する遮熱塗料を塗布する方法があります。

建物の表面温度の上昇を抑えることで、工場内部への熱の伝わりを軽減できます。

とくに、夏場に高温になりやすい金属製の折板屋根などに塗装するのが有効です。

室内の温度を数度下げる効果が期待できます。

遮熱塗装は、工場内の生産ラインを稼働させたまま建物の外側から施工可能です。

業務への支障が出にくいほか、比較的低コストで広範囲の熱対策ができます。

ただし、天候に左右されたり施工する職人によって仕上がりにムラができたりする可能性がある点に注意が必要です。

サーモバリア(遮熱シート)を貼る

純度の高いアルミを使用した遮熱シートを工場の屋根に貼り付けるのも、省エネ対策に有効です。

太陽からの熱(輻射熱)を反射でき、工場内が暑くなるのを防げます。

塗装のように作業者の技量による塗りムラが発生せず、常に均一で安定した遮熱効果を発揮できるのが遮熱シートのメリットです。

さらに、熱対策と同時に屋根からの雨漏りを防ぐ効果も得られます。

冬場も室内の暖かい空気を逃がさず冷暖房効率を向上させるため、年間を通じて省エネ効果が持続します。

工場の省エネ対策で遮熱工事を行うメリット

遮熱工事がもたらす具体的なメリットを紹介します。

・エアコンの消費電力が下がる
・暑さによる設備、機械の故障リスクを軽減できる
・作業環境が改善され生産性の向上につながる

省エネのほかにも、さまざまな効果が得られるため詳しく解説します。

エアコンの消費電力が下がる

遮熱工事によって工場内の温度上昇を抑えられると、エアコンの消費電力を大幅に削減できます。

太陽光を反射して工場内の温度上昇を防げるため、空調効率が向上するからです。

真夏の日中にフル稼働していた空調機器も、遮熱工事を行うことで電力の浪費を軽減できます。

冷房効率の向上は電気代削減に直結するため、費用対効果が高いと言えます。

暑さによる設備・機械の故障リスクを軽減できる

工場内の温度を適切に保つことで、熱に弱い精密機械や設備の突発的な故障リスクを低減できます。

高温状態が続くと熱によって部品の劣化を引き起こす可能性があり、機械の寿命を縮める危険性が高まります。

遮熱工事によって屋根にこもる熱を排除すると工場内の温度が安定し、熱によるダメージ予防に効果的です。

設備トラブルは修理費用や生産遅延のリスクにつながるため、工場全体の温度管理の徹底が重要です。

作業環境が改善され生産性の向上につながる

室内の過酷な暑さが和らぐと、従業員が快適に働ける労働環境を整えられます。

屋根からの輻射熱をカットすることで体感温度が下がり、従業員の疲労蓄積や集中力の低下の予防につながります。

近年では猛暑による夏場の熱中症リスクが高まり、2025年6月からは企業における熱中症対策が義務化されました。

遮熱工事によって安全な職場環境をつくることは、従業員の命を守るためにも欠かせません。

快適な空間でスムーズに業務を遂行できるようになれば、工場全体の生産ラインの稼働率も安定します。

遮熱工事は省エネ対策だけでなく、生産性向上のためにも重要です。

工場の省エネ対策なら遮熱工事がおすすめ

工場の省エネ対策には不要な照明を消したり設備の定期点検をしたりと、まずは従業員一人ひとりの意識が大切です。

より省エネ効果を高めるなら、大規模な設備更新も検討しましょう。

ただし、初期費用や工期がかかるため、手軽かつ効果的に省エネ対策を行うなら遮熱工事がおすすめです。

遮熱塗料や遮熱シートを施工することで空調効率を改善できます。

設備投資に比べて低コスト・短工期で導入でき、稼働中の工場でも施工が可能です。

電気代削減だけでなく、従業員の熱中症予防や生産性向上というメリットもあります。

多額の費用をかけてすべての機械を最新設備に入れ替える前に、遮熱工事を検討してください。

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