

「工場の空調の効きが悪いけど、改善した方がよい?」
「工場内が暑すぎて空調を新たに設置したいけど、どれがよいの?」
工場を経営している場合、上記のように空調について悩まれている方も多いのではないでしょうか。
この記事では工場の空調を改善しないと起こり得るトラブルや、工場に設置できる空調の種類について解説しています。
空調だけでは暑さ対策が難しい理由や、効果が期待できる暑さ対策も紹介しているので、工場内の快適性を向上させるのに役立ちます。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次

新たに空調を取り入れる場合や空調の改善を考えている場合は、まず家庭用エアコンと工場向けエアコンの違い、エアコンと空調の違いを明確にしておくことをおすすめします。
工場向けのエアコンは家庭用のエアコンと異なり、広い空間を冷やしたり温めたりできます。
またエアコンと空調は混同されがちですが、エアコンは主に温度のみ調整でき、空調は温度だけでなく湿度管理や空気清浄も可能です。
そのため従業員の快適性だけでなく、製品や製造機器の維持が必要な工場では、空調が適しています。

工場の空調の効きが悪い場合、以下のようなトラブルが発生する可能性が高いので、改善をおすすめします。
・作業効率が低下する
・熱中症のリスクが上がる
・人材の定着が難しくなる
・製品の品質が下がる
順番に解説していきます。
工場の空調を改善しないと、暑さによって従業員の作業効率が落ちてしまいます。
工場内は機械から発せられる熱がこもりやすく、業務用の扇風機などを設置していたとしても暑さを感じやすいです。
室温が高すぎると集中力が低下したり、ミスが多くなったりして作業効率が低下してしまう恐れがあります。
夏は工場内が暑いまま作業を行うと、従業員が熱中症になりやすく危険です。
2025年6月には労働安全衛生規則が改正され、対象の工場には熱中症対策が義務付けられました。
暑さ指数28度または気温31度以上の作業場にて、1時間もしくは1日4時間を超えて作業が行われる工場が対象です。
熱中症は従業員の命に関わるだけでなく、罰則の対象となるため、空調の改善は必須と言えます。
工場の空調の効きがあまり良くない場合、人材の定着に影響しやすいので注意してください。
工場内の気温が高く、暑すぎて働きにくい場合、離職する人が出る可能性があります。
ネット上の口コミで「暑すぎて働けない」「空調がほとんど効いていない」など書かれた場合、新しい従業員を採用するのも難しくなります。
工場内の空調の効きが悪い場合、熱がこもってしまうため、製品の品質に影響が出る可能性があります。
たとえば食品の場合は、劣化したり菌が繁殖したりする恐れがあるので注意してください。
塗料や樹脂などを使った製品の場合は、表面にムラができたり、強度が低くなったりするリスクも考えられます。

工場に設置できる空調の種類は、主に以下の4つに分けられます。
・全体空調
・ゾーン空調
・部分空調
・スポット空調
順番に説明していきます。
全体空調とは建物全体やフロア全体を、まとめて冷却できる空調方式のことです。
工場内全体で、一定の温度や湿度を維持する必要があるケースに適しています。
ただし誰もいないエリアも冷却してしまうため、電気代は高くなりやすいです。
ゾーン空調とは、エリアごとに温度や風量を調整できる空調方式のことです。
たとえば現在多くの従業員が作業しているエリアだけ冷房を強くし、従業員が少ないエリアは冷房を弱くすることが可能です。
エリアによって空調をオフにしたり弱めたりできるため、ムダな電気代を削減できます。
部分空調とは、特定の作業部屋や空間を冷却できる空調方式のことです。
たとえば食品関係の工場など製品によって適切な温度や湿度が異なる場合、エリアごとに最適な空調管理ができるので、品質を維持するのに役立ちます。
また冷却する範囲が限定されているため、全体空調よりも冷房にかかる電気代を抑えられます。
スポット空調とは部屋全体ではなく、特定の作業スペースや機器に冷たい風を送る空調方式のことです。
設置工事が不要でキャスター付きで移動が楽な商品もあり、空調の中でも比較的リーズナブルな価格なため、手軽に取り入れやすいです。
また空間全体を冷やす必要がないため、電気代も抑えられます。

工場の暑さ問題は工場内の熱源の多さや、屋根が吸収した熱が室内に伝わりやすいことから、空調だけで対策するのは難しいと言えます。
一般住宅であれば、エアコンの使用だけでも室温を下げやすいです。
しかし工場はモーターやコンプレッサー、加工機械、溶接機などが常に稼働しています。
LED電球ではなく、水銀灯や蛍光灯の照明を使っている場合も、熱を発生しやすいため室温が上がりやすいです。
また工場の屋根は面積が大きいだけでなく、熱が伝わりやすい金属製の屋根材を使用していることが多く、太陽光から多くの熱を吸収してしまいます。
屋根が吸収した熱は天井裏に伝わり工場内の空気を温めるほか、赤外線によって伝わる熱である輻射熱(ふくしゃねつ)が、天井から室内に熱を伝えます。
そのため空調をフル稼働させても室温が下がりにくく、暑さを感じやすくなってしまうのです。

工場の空調を上手く効かせるためには、室内の熱源と屋根からの熱を防ぐ必要があります。
しかし室内の熱源元である機械を減らしたり、なくしたりすることは、現実的に考えて難しいです。
照明を高温になりにくいLED電球に変えることは簡単ですが、効果は感じにくいでしょう。
よって屋根からの熱を防ぐ対策を取った方がよいと言えます。
前章でも説明したとおり、工場の屋根は直射日光を受ける面積が多く、表面温度が82度と高温になるケースもあります。
屋根が吸収した熱は工場内の空気だけでなく壁や床、機械、人も温めるため、工場内の暑さを軽減させるには、室内を空調で冷やすだけでなく屋根に熱を吸収させない工夫も必要です。
屋根の熱対策としては遮熱塗装を施すほか、遮熱機能を持った屋根材を設置したり、遮熱シートを貼ったりする方法があります。

屋根の熱対策には、以下の理由から「サーモバリア スカイ工法」がおすすめです。
・工場内の暑さが大幅に軽減されやすい
・作業者の技量に関係なく均一な仕上がりが期待できる
・雨漏りを防げる対策にもなる
サーモバリアはアルミ箔を使用した遮熱シートで、太陽の熱の反射率を高くする効果があります。
スカイ工法とは、スカイシート(遮熱シート)を屋根の上から貼っていく工事の方法(折板屋根にのみ施工可能)のことです。
以下でサーモバリア スカイ工法がおすすめな理由を、詳しく説明していきます。
サーモバリアを屋根に貼ることで、太陽からの輻射熱を約97%カットできるため、工場内の暑さが大幅に軽減されやすいです。
実験では、屋根の表面温度は元の温度からマイナス約36.5度、室内温度はマイナス約11度も下がりました。
夏場の工場内の暑さが軽減されるため、従業員の熱中症リスクが減り、作業環境の改善にもつながります。
「空調を稼働させても涼しくならない」といった状況がなくなるほか、室内が今よりも快適になることで、空調にかかっていた電気代が減る可能性もあります。
サーモバリア スカイ工法は、屋根に遮熱シートを貼っていく工事方法なため、作業者の技量に関係なく綺麗に貼れます。
今まで工場の屋根の熱対策と言えば、遮熱塗装を施すケースがほとんどでした。
しかし作業者の技量によってムラができるなど、仕上がりにバラつきがありました。
サーモバリア スカイ工法は仕上がりが一定で均一な遮熱効果が発揮されるため、「お金をかけて遮熱対策を施したけど効果を感じられない」といった失敗を防げます。
サーモバリア スカイ工法は、暑さ対策だけでなく雨漏り対策としても有効です。
工場によく使われている折板屋根は、ボルトで固定しているジョイントから雨漏りするケースがあります。
サーモバリア スカイ工法ではジョイント部分も遮熱シートで覆うため、雨水が浸入しにくくなり、雨漏り対策にもなるのです。

工場の空調の効きが悪い場合、作業効率が低下するほか、従業員の熱中症リスクが上がる恐れがあります。
また人材の定着が難しくなったり、製品の品質が下がったりするリスクもあるので注意が必要です。
しかし工場内は機器などの熱源が多いほか、屋根が吸収した熱が室内に伝わりやすく、空調だけで暑さ対策をするのは難しいです。
製造機器を減らすことは困難なため、屋根に遮熱シートを貼り、屋根からの熱吸収を軽減させることをおすすめします。
遮熱塗装と異なり仕上がりにムラがなく、均一な遮熱効果が期待できるため、室内の暑さが軽減されたことを感じやすいです。
工場の暑さ対策を行う場合は、空調の改善だけでなく、ぜひ屋根に遮熱シートを施してみてください。